アイドル物の場合、恋愛を成立させるためにヒロインマネージャー設定の作品は多い。
まあ乙女ゲームのヒロインは無個性頑張り屋さんが多いので、マネージャーが一番当てはめやすいのはわかる。
マネージャー物というのは、萌えと怒り表裏一体である。
なぜなら私はオタクであり、乙女ゲームをプレイする人間もまたオタクだからだ。
オタクだからオタクの気持ちがわかる。自分たちがいくら愛や金を注ぎ込もうと彼らと心を通わすことはない。目が合うことすらないかもしれない。彼らの生活を支える養分の一部だと思うことすら驕りかもしれない。
そんな中、乙女ゲームの男たちはライブ中にファンではなくヒロインにウィンクをした、気づいた!?などと言う。
彼らにとっては愛情表現のひとつで、乙女ゲームにおける好意の意思表示だが、素直に嬉しい!萌え!なるわけないだろ〜〜〜が!
なぜなら私はオタクだから。
ライブでしか彼らと同じ空間にいる機会はないのに(そのライブに行くのだってチケットがいるし、チケットのためにCDやDVDを積んでいる)その一瞬のかけがえない時間を、マネージャーへのアピールチャンスに使っていると考えたら、惨めで仕方なくなる。
そしてヒロインであるマネージャーにキレてしまう。お前のとこのアイドル意識低ないか?アイドルとして世に送り出す立場の人間が何特別扱い受けて喜んどるんじゃ!してしまう。
そして自分の分身であるヒロインに感情移入するよりも、立ち絵すらないモブ女になってしまい絶望するのだ。
という理由で、私はマネージャー設定は嫌い。
今回プレイしたフォルティッシモも確実に嫌なエピソードはあるだろうなあとわかってはいた。
わかってはいたが、想像以上だった。
マネージャー物として、最低作品だと断言できる。もはやマネージャーとしてて終わりすぎて始まっている。
ここまでやったアカンことやり通すのは、逆に狙ってやっているのでは!?と感動するほどだった。
オタ毛は仕事しろ系恋愛脳ヒロイン。
モブからageられ意識高い系発言はするけど男で頭がいっぱいになると仕事が手につかなくなる、アイドルに手を出してくるモブ女への牽制と説教は全てブーメラン、高校生アイドルにグイグイ迫る、職場でセッス路上でチューキメる。
オタ毛はもちろん、全体を通してヤバな点が多くて書き始めたら長!!!!なったので、ここがやばいよッシモをまとめてトゥギャりました。
お時間ある人はこちらをご覧ください。
→https://togetter.com/li/1402900
ヤバ!なところだけまとめたつもりだけど長くなりました。(ヤバが多すぎるので)ネタバレ多数です。
最後に私が一番話したい成本理の話をします!
成本ルートは中盤まであまり恋愛っ気もなく進み、オタ毛も仕事をしているように見えた。
そして成本は不倫をしていて、不倫が世間に出るとイメージダウンなのでオタ毛が別れろと言う。ここまではよかった。恋愛要素がなかったのでオタ毛もマネージャーとして言うてるんやなと。
成本に不倫について注意をすると、不倫相手のことを愛してるんだ、深く深く.....など言うので、他の女が好きな男大好きな私は大喜びしちゃった。
大興奮してたら、次の瞬間には成本がオタ毛と路上で抱き合っていた。ハ?しかも翌日告白してきてチューされた。ハ???????
深く愛してる不倫女は・・・・????????
いや成本は穏やかに見えて策士だから、オタ毛を告白で油断させて不倫相手と実は会ってるんでしょ。と裏を読んだが、そんなことはなくずっとオタ毛が好きだった。
萎えすぎてずっと無だったけど、成本バッドエンドをみて大興奮また転がりまくってしまった。
成本バッドは、オタ毛以外の女とも関係を持っているようなエンド。
バッドエンド内の雑誌インタビューでも「永遠に続く恋があればいいけど、実際はそうじゃない」と語っている。
成本は、誰かに依存して愛する対象が欲しいだけで、その人自身が好きなわけではないと思う。
不倫女との関係続けてたのも、不倫女との愛を失ったら、大きな穴が空いてしまうからだと言っていた。
依存出来れば誰でもいいわけで、その穴は私が埋める!と言ったオタ毛に依存先を変えただけ。
不倫相手愛してると言った翌日に成本は
「あなたは言ったよね?僕の身体に開いた穴を埋めてくれるって。
すごく、うれしかった。あの時僕はあなたを愛すると決めたんだ。」
「これは僕の意志なんだ。
一度好きになった相手には長く想いを残す人もいるだろうし、当然そうじゃない人もいる。
僕はたまたま後者で、それも単純に、考え方の違いというかタイプが違うというだけの話だよ。
急だから信じられない?でも僕は本気なんだ。」
と言って、オタ毛はそっか〜と納得してたけど、
これってオタ毛に関しても長く想いを残せるかわからないよね!?!?!?!?
たまたまこのシナリオの中ではオタ毛が成本の穴埋め存在だったわけで、グッドエンドの後だってどうなるかわからないよね?
成本がいう心の隙間って結局なんなのか本編で明らかにされていない。
普通の乙女ゲームならこの心の隙間を埋めるべくカウンセリングがある。でも成本は心の隙間をヒロインに教えない。むしろ本人も気づいていないのかもしれない。漠然とした隙間があるのだろう。女に依存をするけど心を女に明け渡す気なんか全くない成本めちゃくちゃ好き〜!!!
「あなたは言ったよね?僕の身体に開いた穴を埋めてくれるって。すごく、うれしかった。あの時僕はあなたを愛すると決めたんだ。」の愛すると決めたら本当に心が従っちゃうのコワ!
成本ってめちゃくちゃマイペースで自分の意思を絶対曲げなくて意味わからんマイルール持ってるズレた人間なので・・・悪気なく残酷な言動する。無邪気サイコパス。
成本はこの人はないなと思ったら、即終了はいお別れになるタイプなんだよね。そうなったら情も未練もなにひとつない。成本はこんなに女に依存しているのに、女に影響されない我が道を進むところがわけわからなくてすき。
恋愛部分以外も成本は結構不気味なところがあって、ヒロインに対して途中で敬語はやめてもずっと苗字にさん付けで距離があったり、音楽を心から愛しているはずなのに神聖なピアノ室で平然とセッしたり。
いつも笑顔なんだけど目は笑っていなくて、さいとうそうまくんの優しく諭す声がこわい。
寂しいからって女をとっかえひっかえしてセッで寂しさ埋める男は乙女ゲー世界に多数存在する。私はそういう男は好きではない。
自分の寂しさに気づかず本当の恋だと思って突き進むけどやっぱり愛は永遠じゃないんだねって突然冷めちゃって、そしたら興味が全くなくなっちゃって5秒前まで愛してたアッサリ女を捨てる成本すき〜!!!
本編では描かれていない部分をバッドエンドから想像してバク萌えしてしまった。成本ルート、ハ?なることばかりだったけど、この萌えに行き着くためのよく計算されたシナリオだったのかとしれない・・・
崩れたシナリオから生まれる不気味さが成本という存在をつくりあげたなら、それもまた奇跡。
これだから一見ヤバいゲームもやめられない。どこに自分の萌えが転がっているのか、運命の男にはどこで出会えるのか。成本に出会えた、それだけでフォルティッシモは私にとって良作。
おわり。