時アポはヒロインのラチアのための物語だった。
恋愛はしっかりしているし、ヒロインだからラチアが主人公なのはまあ当たり前だけど
「ヒロインが男たちと恋をするゲーム」というより「運命を上書きするラチアの物語、男たちと恋愛もします」という描かれ方で、男と恋愛がサブのような印象を受けた。
要するに「♡ヒロインちゃんの物語です♡」を感じてしまい、そこが私は受け入れらない部分であり、結局そこに萌えてしまった部分もある。でもやっぱり受け入れられない!
ラチアは割と好きです。プレイ中ずっとカリ子と呼んでいてカリ子に愛着が湧いたので、ここなら先カリ子と書かせてください。
運命上書き前のホゲホゲ天然お花ちゃんは好きではないけど、運命の上書きを覚悟したカリ子は本当にすき。
乙女ゲームのヒロインは突然世界の命運を握らされることがとても多いけど、カリ子はトップクラスの優秀さだったと思う。
まず優先順位をしっかり持って軸をブラさないところが好き。
乙女ゲームにありがちな、全部すくいたい!といいながら結局攻略対象だけを救って名もなきモブを見捨てて、でも最終的には光に包まれて全て解決!みたいなのはウンザリするけど、
カリ子は街を救うために多少の犠牲はアリだと考えている。優先順位があって自分が助けたい物のために最後までブレないし、優先順位低いものはある程度切り捨てているのがいい。切り捨てる事に罪悪感あるけど割り切ってるのもいい。
目的達成までの道のりも有能だし、強い女なのでウジけとる男たちも背負って私が選んであげる!私が未来を掴んであげる!という姿勢なのとてもよかった。
前座3人男まではよかった。後日談で突然カリ子と立ち絵と声がついてホゲホゲお花ちゃんに戻ったのと、中高生の時に500回読んだ甘ェロvV夢小説みたいな内容だったのには、オ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜なったが。
これは私が潔癖でェロ断固拒否のせいもあるので好みの問題です。たぶん。
ハ?
ああこれは乙女ゲームではなくカリ子のための物語なんだと思ったのはユナカルート。
ユナカ視点になり、カリ子の声がオンになり、ユナカの声がオフになった。
乙女ゲームで意味がわからん。
いや、アリな試みではあると思うよ。箱の所有者が代わり、ユナカが主人公になる。
主人公が交代した、ユナカが主人公なんだ!ということを強く印象付けるために 声をオフした というのは理解はできる。
内容的にはやってもいいと思うんだよ、でも今回の視点では必要なかったんじゃないかなと思う。
まず、ユナカが主人公になったわけでなく、結局カリ子がユナカの過去を見ているという回想シーンなんだから、別にいうほどユナカに主人公が変わった!とは思えない。
そして1番ありえないなと思ったのは恋愛パートがあること。ユナカとカリ子の恋愛を見せられるわけだけど、これは過去の回想で、本編でプレイヤーがゲーム開始した場所よりさらに前の話。
ユナカは5人目だから既に何度も時を繰り返してきたわけだけど、それよりも前の話。つまり今までプレイヤーが見てきたカリ子ではない。知らんカリ子です。
さらにユナカはデフォ惚れ幼馴染。デフォ惚れ幼馴染は私は好きだけど、それはヒロインと想いを通じ合せていくストーリーが好きだから。
デフォ惚れ幼馴染目線+プレイヤーの知らないカリ子+ユナカ目線でひたすらカリ子を可愛い♡可愛い♡モノローグ+ユナカは声ない だと何を見せられているんだ????としか思えない。
攻略対象目線は需要があるのはわかる。ルート中に攻略対象目線が出てきたらああの時彼はこんなふうに感じていたんだなとか、後日談なら本編中カプ萌えを楽しんだあとなのでご褒美イベに思える。
でもユナカルートはルート即この回想を見せられる。カプ萌えで楽しみたくてもユナカリ萌えはまだ始まっていないし、ユナカ目線だから感情移入もできない。
これに感情移入するには、カリ子単体萌えをしないといけない。なんで???????
個性バリバリヒロインもヒロインのポエムたっぷりモノローグも声アリヒロインも受け入れるし、実際ヒロイン萌えすることで乙女ゲームは楽しくなるよ!プレイ中は名前変換するけど基本的な楽しみ方はカプ萌えだし。
でも全部男たちがメインなのが前提だよ!乙女ゲームは男を攻略するためにやってる。好きな男と恋愛するためにプレイしていて、その男の魅力を輝かせるためにヒロインが存在すると思う。
でもせっかくの告白シーンもユナカの声はない、カリ子の告白ボイスだけ聞かされて、っていうのはどうかと思うよ。
すげえ好き。っていうユナカのloveボイスは聞けなくてこれだけ聞かされるのなに?
せっかくユナカ主人公にするなら、ユナカルートを進めて二人の気持ちが通じあった♡なったくらいでカリ子が死んでしまい、その場に落ちていた箱を手にしたユナカがカリ子を助けるために運命を上書きしていく!というストーリー展開ならめちゃくちゃ燃えたし萌えたと思います。
もう想いが通じ合ってる状態ならユナカ→カリ子のモノローグも萌えられたとおもうんだけど・・・知らんカリ子を見て、かわいい♡なにしてもかわいい♡モノローグはキツ!能面虚無タイム!
まあとにかくユナカの声は欲しかったね。
私はユナカの中の人、好きじゃない声優だったんだよ。購入時に躊躇うほど。その私が熱望しているんですよ、ほんとです。でもユナカの演技めっちゃよかったので掌返ししました。野上のためにパラツー買うで!!!
話は脱線したけど、こうやってヒロインをメインにする風潮、ヒロインちゃん攻略したい♡な風潮には恐怖を感じています。
ちゃんと前3人は恋愛していたし、恋愛過程も丁寧ですごくいいストーリーだと思った。
でもユナカルートのユナカ目線・声オフもそうなんだけど、真相も見ると完全にカリ子のための物語だった。(だってカリ子Aとカリ子Bで話が進んでいって男たち添え物だったし)(ジルと真相については長くなるのでまた別記事にしてさせてもらいます)
ヒロイン萌えはわかる、突き抜けた最萌えがいなくてヒロイン最萌えになるのもわかる。
でもヒロインを攻略したいという意見と、本当にそれを行う制作陣には意を唱えたい。
本当にそれでいいんですか?
私は今回時アポの人気投票でカリ子が3位なの本当に恐ろしいと思っています。
3位になるのもわかるんだよ。個別だけならともかく真相まで見たらそりゃカリ子に投票するのもわかるとなる。
この結果を受けて、またヒロインの物語になったら。攻略対象が引き立て役になったら。怖いです。
女の子を攻略したいなら、もっと女の子のバリエーションが豊かで(だって乙女ゲームのヒロインってほぼギャルゲーのメインヒロイン女でしょ)シナリオのいいゲームをプレイします。
一般作やギャルゲー、私はアイマスでも満足するし。
私は男と恋愛するために乙女ゲームをやっているんです。ヒロインに個性があってもいい、ヒロイン自身の背景があってもいい、でも男よりヒロイン単体にフォーカスしすぎる乙女ゲームはいらん。
私は攻略対象と恋愛するために乙女ゲームをやっています。
恋愛できない乙女ゲームが好きな私がいうのもなんだけど、乙女ゲームは純粋に恋愛するゲームであってほしい、ヒロインの物語にすな。
つづきます